主イエス・キリスト・       御言葉の黙想

み言葉が開けると光を放って、無学な者に知恵を与えます。詩篇119:130

主があなたに、どんなに大きなことをして下さったか、どんなにあわれんで下さったかを、知らせなさい。マルコ5章19節。

みなさん、わたしが誰であるかわかりますか?
わたしは、あの墓場で昼夜と叫び続けていた狂人です。
どうか、わたしの話を聞いてください。
 
私は、いつもの通り、
一人ぼっち、湖を眺めていると、
ある日の夕方、私は、湖の反対岸から、一艘の小舟が向かってくるのを見ました。
船は途中で嵐に巻き込まれ、私はもう沈むだろうと思ってみていました。
ところが、その船の中から一人の人が立ち上がり、手を大きく振りかざし、何かを叫ぶのを聞きました。
すると、不思議なことに大あらしが急に静まったのです。
なにか、その人は光っているようにも見えました。もう暗くなってきていましたが、その人の所だけには、なぜか、光があるように見えたのです。
その人を乗せた、船はそのまま、ゆっくりと私のいる岸のほうに近づいてくるではありませんか。
私は、なぜか分かりませんが、その人が私のところに来てくれるに違いないと確信するようになりました。
私は、墓場に追いやられ、自分でもコントロールすることのできない闇の力に縛られ、自分自身に全く失望していました。すべての街の人から、家族からもあきらめられ、捨てられていました。私ももはや自分をあきらめていました。
しかし、なぜだか、その人は、私のことを知っており、私のことをあきらめようとしていないという感覚に満たされました。
その人が、近付くにつれて、その人から放たれる光がだんだん大きくなってきていることを感じました。
わたしは、この方に、自分を救う希望を見出すようになり、その人が、こちらの岸に着かれるのを今か今かと待ちました。
 
そして、その人は、船を降りると、想像していたとおりに、私のほうへ近づいて歩いて来て下さいました。
私は、その人を目当てに、急いで、墓場を出て、その人のもとへと駆け寄りました。
 
私が近づくと、わたしの中にある別の存在が、私を縛り付けている悪霊が叫び始めました。
私は、悪霊がその人と私をまた遠ざけてしまうのではないかと恐れました。しかし、私は、自分から声は出ず、
悪霊の叫びを聞くほかありませんでした。
悪霊が、神の子、イエスと叫んでいるのを聞いた時、私は、この方が、メシアであることを知りました。
そして、私は、悪霊にも負けずに、心の中で叫びました。
エス様、私を救ってください。悪霊の縛りから解放してください。
私にとっては、これが最初で最後の叫びでした。もはや、私の中には、叫ぶ力さえも残っていませんでした。
 
しかし、どうでしょう。気がつくと、私は、その方のそばに座っており、
そして、自分の体から、長い間私を苦しみ続けていた悪霊が去ってしまったことに気がついたのです。
そうして、代わりに、私の心の中には、この方の霊が住み着いて下さったことを知りました。私の心も体も共に、イエス様の霊で満たされていることに気がついたのです。
 
なんということでしょうか。
私は、正気に戻りました。
 
エス様は、私を長年苦しめてきた悪霊から解放するために、湖の向こう岸からやって来てくださったのです。
私はそのことを知っています。こんな人々から捨てられ、見放され、無価値な私を救うために、来て下さったのです。私を救って、いったい何の価値があるのでしょうか。しかし、こんな小さな私のことをさえ、憐れんで下さったのです。こんな一人のために、大きな危険を冒してまで、私のもとに来て下さったのです。
こんな素晴らしい御方はいらっしゃるでしょうか。
みなさん、この方は、神の子です。いと高き御方です。
御父さん、お母さん、私です。
私がここにいます。御父さん、御母さんももとに戻ってきました。
あのイエス様が、私を救ってくださり、御父さんとお母さんも元に戻るようにと勧めて下さったのです。
これからは、いつも家族と一緒にいます。どうか、喜んでください。私はこれから毎日、神様の御名をほめたたえます。そして、イエス様、あの方の弟子となって生きていきます。